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技工士として35年の経験から分割可能なヒンジを開発しました。
今までもヒンジを使ったデンチャーはありましたが、患者様が自ら分割
できることにより清掃性を確保できると共に修理が簡単に出来るようになりました。
特許取得!

平成29年7月25日版「日本歯科新聞」に記事として載りました。





臨床例
下顎隆起が著しいケース、本来なら外科的処置をしてからデンチャー作製に移るのですが患者さんが糖尿病を患っていて、できるだけ外科的な処置を避けたいとの依頼で義歯を分割にしました。LowerとUpperに分割してLowerを骨隆起の下部に滑り込ませ、マグネットでUpperと結合するように設計しました。骨隆起部に接触する部分は口腔内でソフトライナーで処理していただきました。
このように、義歯の設計段階に「分割」とゆう概念を加えることで設計の自由度は飛躍的にアップすると同時に、今までは出来ないと考えていたケースにも対応できる可能性があります。

支台歯にフレアーアウトが生じていると、サベイラインが高くなりクラスプ位置が頬粘膜に違和感を与える

ウイングはデンチャースペースに位置する。

ノンクラスップデンチャーのウイングも頬粘膜に違和感を与える。
ウイングロックデンチャーはクラスプデンチャーと異なり、ウイングを開閉することで義歯の維持を確保するシステムです。ウイングにはアンダーカットの制約はありません。アンダーカットはいくらでも使えます。日常の技工でパーシャルデンチャーの設計の際に義歯の装着方向に悩まされることがあります。複数の鉤歯がある時は雲台を傾けて設計する事がしばしばあります。ここで整理してみましょう、そもそも義歯に与える維持力とはなんなのでしょう?義歯に加わる離脱力に抵抗するべき力が必要とされるわけです。では、義歯に加わる離脱力とはなんなのでしょう?左右側の場合は右側で咬合した際に左側に加わる力であったり、粘着性の高い食辺を咀嚼した際の開口時に加わる力になります。つまり、ほぼ咬合平面と垂直方向に加わる力になります。要するに義歯に与える維持力とは咬合平面に垂直方向にサベイイングする必要があります。クラスプの場合はアンダーカット量の制約(0.25mm)があるため、審美的な制約もあり雲台を傾けなければならなくなることが多いように思います。ウイングは制約が無く、ほぼ垂直方向に設計できることが多いと感じます。
また、ウイングは後から処理できるものになっています。つまり、既存の義歯の設計変更が可能になりました。現在患者さんに使っていただいている義歯をクラスプからウイングロックデンチャーに変更できます。新しく作り直すとなると手間がかかります、せっかく床の調整や咬合調整を繰り返しやっと使っていただいている義歯を無駄にしたくないと考えています。